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逢坂隧道(初代)
煉瓦巻
黒潮町側 扁額
こちらには逢坂隧道と書かれているのではなく、
右書きで「開明之利澤」とあります。
開明というのは山腹に光を通したと言うのでしょうか?
光を通したことで利が流れ始めたと解釈しました。
この路線こと、旧中村街道にある三本の隧道には、
全てに漢文調の扁額が残されていることになります。
この逢坂隧道が
「開明之利澤」
、熊井隧道が
「人代天工」
、
そして樫迫隧道に
「遠運通利」
と記されていました。
黒潮町側を望む
このように、漢文調で何かを表現している扁額は、
大きな期待を持って貫かれた隧道に時々見られ、
徳島の
松坂隧道
や愛媛の
窓峠隧道
等にも見られます。
3代目トンネル工事の関係で周辺は大規模に改良され、
峠道だった初代の頃の道筋は全て失われてしまいました。
少し残念。
煉瓦の様子
この隧道は全て煉瓦巻!
擁壁部はイギリス積み、アーチ部は長手積みとなっており、
漏水も痛みも少なくとても歩きやすい状態です。
内部
職人技で組まれた土木建築の堅牢さを堪能。
真下の現道を走る車の音が聞こえるので、
ここにいると異空間に居るような気がしてきます。
ほっかむりと一泊二日隧道の旅と称して訪問しました。
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