HOME猪ノ峠隧道
コンクリ巻+吹付け+鉄板巻
遠景 
この隧道が造られた昭和初期は、コンクリートという材料が
それまでの煉瓦に変わって登場し始めた頃であり、
設計者は、いかに新素材を用いて建築物を設計するか
当時も一大工事であったトンネル事業に誇りを持って
工事を設計、完遂したことは想像に難くありません。

例を挙げると、  ※( )内は竣工年
愛媛県・高研隧道(T.13)、滋賀県・谷坂隧道(S.10)
滋賀県・湖北隧道(S.9)、山梨県・笹子隧道(S.12)
福岡県・櫨ヶ峠隧道(S.6)、高知県・大渡隧道(S.7)
愛媛県・俵津隧道(S.1)などがあります。
旧道倶樂部さんが上記隧道には詳しいのでゼヒ。

内部 
元々コンクリで巻かれていたようですが、
近年に改修されてしまったのか鉄板巻の部分も。
そのあまりに綺麗な白さと、コンクリの風化具合が
ミスマッチでしたが、これも安全のためでしょう。

現在進行形で改良著しい県道に存在しており、
いずれ大改修+拡幅されてしまうのでしょうか?
それとも新トンネルが建設されるのかな?要注視です。

蛍光灯 
僅かに残る鉄板巻が無い部分にも「はつり」など
今後の工事を伺わすようなペイントがあります。

昭和5年の竣工時から全面コンクリ巻と思っていましたが、
大部分が丁寧な素掘り(現在は吹付け済)のようでした。
これも現地に訪れてみて初めて知り得たの成果也。

後付されたと思われる蛍光灯の明かりが独特です。

西側を望む 
実はここの隧道には旧隧道があった可能性も!?
以前、掲示板でnagajisさんから明治時代の文献に
猪ノ峠隧道のことが書かれているという情報を頂きました。
以下がその際に頂いた情報の一部です。

明治工業史土木編 道路隧道の記述で、道路の隧道中、
徳川時代に開鑿したるものにして現存するのは、僅に六箇所なり。
(中略)
一徳島県猪ノ峠隧道 長八十七間 竣功大正浦隧道(※)に同じ。」

※安政五年(1858年) 八十七間は約158.2m。

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